2011年3月29日火曜日

BWR(沸騰水型原子炉)のウイークポイント

 福島第一原発2号機の状況補足からの続き

ここ数日、福島第一発電所の話題はタービン建屋に溜まっている高レベル放射性同位元素を含む水が話題になっている。
セシウム133が含まれていることを考えると、原子炉冷却材が漏洩したのはほぼ確実と思われる点は、報道でもよく取り上げられている。
しかし、報道内容からは重要な問題点が抜け落ちている。
実は、タービン建屋に原子炉冷却材が漏出するということは、BWR(沸騰水型原子炉)の抱える最大のウイークポイントが現出したということなのである。

日本国内の商用原子炉は、上述のBWRとPWR(加圧水型原子炉)に大別できる。
PWRはその構造上原子炉冷却材が格納容器内に密封されているため、仮に今回の事故のような漏出があったとしても、原子炉冷却材が格納容器の外にまで出てくることがない。
ところがBWRの構造では、タービン建屋にまで原子炉冷却材が常時流れているため、今回の事故のようなケースでもタービン建屋に漏出してしまう。
これは、原子炉工学を学んだ人なら誰でも知っているBWRのウイークポイントであり、今回の事故はそのウイークポイントによって事故が拡大しているのである。

このBWRの構造の危険性は以前から周知の事実であり、現に海外ではその安全性の低さからBWRが建設されることは無くなっている。
今だにBWRの建設計画があるのは日本と台湾だけなのである。

2006年にそれまでBWRの建設を進めてきた東芝が50億ドルもの巨費を投じてウエスチングハウスを買収し、PWRの技術とライセンスを手にしたのはこのような事情がある。
すなわち、すでに海外ではPWRでなけれは売れないのである。

しかし、そんな話を持ち出すと、なぜ日本国内ではBWRが認可されてきたのかが問われることになり、困る人も多かろう。

国際原子力事故評価尺度(INES)レベル7」へ続く

2011年3月27日日曜日

お風呂の電球交換

お風呂の電球の調子が悪くなりました。
スイッチを入れても点くときと点かないときがあって、一昨日くらいからは10回に1回くらいしか点灯しなくなってきたので、いよいよ寿命かと。

これまで使用してきたのは東芝製の電球型蛍光灯ですが、結局5年くらいもったのかなぁ。
なんとなく寿命が短いような気がします。

次はLED電球にしようかと思いましたが、普通に2000円くらいします。
それと比べると、電球型蛍光灯は700円くらい。
寿命も考えると微妙。

とか考えている最中、たまたまダイソーへ行ってみると、電球型蛍光灯が100円で売られてました。

これは、ちょっと安すぎ。

この値段なら駄目商品だったとしても許せると思い、人柱覚悟で購入してみました。

早速、昨晩から使用してますが、特に支障はありません。
寿命が5000時間と書かれているので、1日あたり2時間点灯するとして、おおよそ7年弱もつはず。
とは言え、最悪1年後点灯しなくなっても、この値段なら許せそうです。

寛ぎタイム

寒いので、瑠璃ちゃんも一緒にソファーで寛ぎタイム。
(瑠璃ちゃんの顔が青ざめているのは、電気ストーブ の光でカメラのホワイトバランスが狂ってるせいです)

それにしても、もう4月に入ろうかというのに、今年はいつまでも寒すぎます。
やはり太陽活動の影響は温室効果ガスの影響を圧倒しているようです。
当面は寒冷化が進みそうですね。

2011年3月22日火曜日

服従のポーズ

撫でて!

2011年3月20日日曜日

瑠璃ちゃんうろうろ

当初はすぐにサークルに引きこもってしまう瑠璃ちゃんでしたが、居間であれば自由に過ごせるようになってます。
ただし、まだ隣の部屋に行くレベルには未達。
まあいっかぁ。

2011年3月19日土曜日

iTunesのせいでCドライブが満杯になる

Cドライブが満杯になりました。
20GBでパーティションを切ってますが、音楽データ等大きなデータはCドライブ以外のドライブに置いているので、そう簡単には満杯にならないはずです。
何がそんなに容量を喰っているのか確認してみると、以下のフォルダが10GB以上喰ってました。

【容量を喰っていたフォルダ】
C:\Documents and Settings\(ユーザ名)\Application Data\Apple Computer\MobileSync

iTunesが自動的に採取するiPhone4とiPadのバックアップがCドライブに置かれていたのでした。

このフォルダを移動する方法をググってみると、「Shiftキーを押しながらiTunesを起動すると変更できる」とか、非常に魅力的なのが見つかりますが、試しにやってみると全然だめ。
そんな設定画面は出てきません。
どうやら最新版のiTunes10.1.1.4ではできない方法みたいです。

そこで、バインド(シンボリックリンク)を試してみました。
この機能は、ファイルの実体は別のところ(Dドライブとか)に置いておいて、あたかもCドライブに存在してるみたいに参照させる設定です。

手順は簡単。

(1)iTunesを起動していたら閉じる。
(2)Windows Server 2003 Resource Kit Tools をダウンロード。
(3)上記(3)を実行してインストール。
(4)iTunesのデータフォルダを移動する。(移動先フォルダは仮称)
C:\Documents and Settings\(ユーザ名)\Application Data\Apple Computer

D:\Apple Computer
(5)DOSプロンプトで以下を実行
linkd "C:\Documents and Settings\(ユーザ名)\Application Data\Apple Computer" "D:\Apple Computer"
(6)成功すると以下のメッセージが表示される。
link created at:C:\Documents and Settings\(ユーザ名)\Application Data\Apple Computer
(7)iTunesを起動

これでDドライブに置いているデータが、iTunesにはいつものCドライブに置かれているように見えるようになり、Cドライブの容量は十分に確保されました。
ちなみに、当初上述のDドライブのフォルダ名に日本語を使っていたのですが、そのときはバインド(linkd)に失敗しました。
linkdは、アルファベットのみのフォルダ名しかサポートしていないようです。

2011年3月14日月曜日

福島第一原発2号機の状況補足

 米国におけるTMI(スリーマイル島原発)事故後の反応からの続き

 先ほど発表のあった福島第一原発2号機の状況について質問があったので、ここで簡単に補足しておく。

【質問】
> 私ゃ素人なのでよ~解らんが
> 給水ポンプの燃料切れってどういうコト

【回答】
福島第一原発のようなBWRプラントでは、給水ポンプにより炉心への給水が行われる。
したがって、炉心の水位上昇は通常このポンプで給水することによって行われるのである。


この給水ポンプには、電動とタービン動の2種類があるのだが、現在ほぼ全ての電力が喪失しているので、タービン動給水ポンプのみに頼っていた模様。
このタービン動給水ポンプというのは蒸気の圧力によって駆動するポンプなので、電力供給がなくても炉心上部から主タービンに残っている蒸気圧により駆動できていたようだが、その蒸気圧がいつのまにか下がってしまっていたようだ。
通常ならそんなことくらいすぐわかるのだが、中央計装が殆ど全てダウンしているようなので、その状況把握に手間取ったとみられる。

ちなみに、上述の主蒸気圧のことを平たく「燃料」と表現したようだが、返って混乱を招いているように見える。

 BWR(沸騰水型原子炉)のウイークポイント へ続く

2011年3月12日土曜日

米国におけるTMI(スリーマイル島原発)事故後の反応

菅首相、枝野官房長官の発表要旨からの続き
 
諸外国における大規模原子力発電所事故後の主要な反応に照らし、我が国の今後を考える。

1.世論
TMI事故後、米国では大規模な反核運動が吹き荒れた。
たまたま映画「チャイナシンドローム」の公開とタイミングが一致していたこともあり、その世論の盛り上がり
は国政を動かす結果となった。
結果、TMI事故後米国では新規の原子力発電所建設は行われていない。
昨今、アル・ゴア著「不都合な真実」に始まるECOブームの影響により、オバマ政権による原子力発電所新規
建設再開が計画されているが、今回の事故が米国民に与える影響は計りしれない。
また、それは日本人にとっても同様、もしくはそれ以上であろう。 
ただし、TMI事故では情報制限により不必要に不安が拡大したのだが、結果的には周辺への被害は殆ど無かったに等しいのである。
今回もTMIと同様に格納容器内の毒物質封じ込めは制御できており(圧力制御のための最小限のベントは行われているようだが…)、周辺への被害はごく限られたものに留まるであろう。
現時点で情報を早め早めに公開している姿勢は評価されるべきだ。

2.原子力発電所の安全対策
TMI事故は加圧器逃がし弁の不具合が発端ではあったが、大規模事故に至る流れを見ると、その主要因は運転
員のヒューマンエラーによるものと言える。
ヒューマンエラーの対策としては、運転員の事故時対応マニュアルの見直し等、比較的改善策をとり易い。
しかし、今回の福島第一原発における事故は、想定外の大規模自然災害が原因である。
大規模自然災害は人間には防ぎようがないので厄介だ。
とりあえず今思いつく限りの対策は下記。
(1)原発に高波堤防を設置する
(2)発電所付近の高台にDGを設置
(3)蓄圧注入系のキャパシティ追加
 
その後の福島第一原発2号の状況について補足を追加

菅首相、枝野官房長官の発表要旨

菅首相、枝野官房長官の発表要旨から事態を想定する。

(1)想定以上の津波により発生した事象である。
→今回最大の想定外事象は13台ものDG(ディーゼル発電機)が全て起動できないことにある。DGのうち1
台でも動作しておれば、高圧注入ポンプによる軽水の原子炉注入により、炉心水位を維持できたものと思われる
。
この発表から推察すると、想定外の高波でDG全台が海水を被ったため、起動できないのではなかろうか。

(2)格納容器の爆発は無い。原子炉建屋内の空間に充満した水素の爆発である。
→十分想定可能なシナリオ。これを聞いて安心した。

(3)周辺放射線レベルは70.5μSvであり、1050μSvから十分に低下している。
→このデータをもっと早く公表すればいいのに。

(4)海水とホウ酸注入を実施する。
→やっと決断したか。どうせ廃炉は間違いないのだから、海水で格納容器を満水状態にすれば良い。ホウ酸も混
ぜるらしいので、反応度も十分に下がるはず。

その後の情報で、注入ポンプをC-130で空輸している映像も出ていたので、上記(4)は何とかなりそう。
少なくとも、チェルノブイリ並の事故にはならなくて済みそうだ。
ただし、TMI並みの事故状況にはなっているので、米国での過去の歴史も鑑みると中長期的には心配な要素が
あるが、それは後述する。

2011年3月6日日曜日

日光浴

窓際はぽかぽか

きもちいい

妖かし2 ビジネスホテルでの一夜

これは1995年頃、私が出張先で体験した話です。

当時私は、中部地方のプラントに納めるシステムを開発するプロジェクトのPL(プロジェクトリーダー)を担当していました。

工場でシステムを開発し終わると出荷し、あとは現地試験というのをやります。
現地試験中は、現地に現場班長(所謂現場監督です)を配置し、その現場班長に現地の日常の管理は任せ、PLである私は現地と会社との間を何度も往復することになります。

現地試験に入った約1ヶ月後、私は現地へ行く必要が生じました。
そこで、いつも現地メンバーが泊まっているビジネスホテルを予約しようとしたのですが、その日は満室とのことで予約できませんでした。
実はその宿は地元では有名なサーファーのメッカと言われる海岸に隣接しており、普段は閑散としているのに、冬に開かれる大会の時だけは満室になるのです。

仕方なく少し離れた街の宿を確保していたのですが、出張当日の朝、念のためいつものビジネスホテルに空室状況を確認してみると、1室だけ空きができたとのこと。
これはラッキー。
いつものビジネスホテルは場所や宿泊費等条件が良いので、いつものビジネスホテルの方に泊まることにしました。

その日の夜、ビジネスホテルに着いて渡された鍵は204号室のものでした。
私は少しドキリとしました。
この204号室には少し嫌な噂があったのです。

私の現地プロジェクトチームは総勢10名程度居たのに対し、そのビジネスホテルの部屋数は16室。
頻繁に出入りするメンバーも居るので、自然と部屋をローテーションすることになります。
1ヶ月もすれば、全ての部屋にメンバーの誰か泊まることになるのが普通です。
ところが、その204号室だけは誰も泊まったことがなかったのです。

メンバーの間では、「末尾に4が付いてる部屋は不吉だから倉庫にでもしてるんじゃないの?」、「いやいや104号室は普通に泊めてるやん。」とか、話してました。
いつの間にか、我々の間では204号室を「あかずの間」と呼ぶようになっていました。

とはいえ、いい大人が「そんな噂があるから、204号室は嫌。」とも言えず、仕方なく私は204号室に泊まることになりました。


部屋に入り、私は1時間ばかりテレビを観て過ごしていました。
その時私が見ていたのはバラエティー番組で、一人で大笑いしていたのですが、なぜか窓の方が気になり始めたのです。

誰か部屋の中を覗いてる!

目の端で窓の方を見てみると、カーテンが5cmくらい開いており、そこから誰かが覗いている気配がするのです。
しかも、じ~っと凝視。

考えてみればここは2階。
窓の向こうは段差を下って100mくらいは田んぼが続き、その間には建物ひとつ無い景色であることを思い出してました。
ベランダもなく、隣の部屋の窓とは3mくらいは離れてるし、とても人が顔を覗かせられるような環境にはないのです。

あまりに気持ち悪く、テレビを見て楽しんでいる心境ではありません。
私は気分を一新するため、風呂に入ることにしました。
風呂に入ってしまえば気分もすっきり。
風呂上りに例の窓を見ると、やはり5cmくらいカーテンの隙間が開いてましたが、誰も覗いてないようです。
そこで、窓に近づいてカーテンをシャッと閉めました。

私はまたテレビを見始めました。
しばらくすると、今度は「ガンガン」と金属をたたくような音がし始めました。
また、たまに壁をたたくような音も聞こえます。
時間はランダムですが、おおよそ15分~30分くらい間をおいて鳴っているようです。
最初はそんなに気にならなかったのですが、夜中になるにしたがって、だんだんとその音が大きくなってきます。

それでも明日は仕事。
とにかく寝ないと話しになりません。
1時には寝床につきました。
その後もその物音は続きます。
そんな物音のなか、正直なかなか寝付けなかったのですが、とりあえず3時くらいには寝入っていたようです。

明るくなり始めたころ、またその音がして起きました。
音はさらに大きく、激しくなってました。
そして、6時半頃、「ドドーン!」と物凄い勢いで扉を閉めるような音がして、建物が揺れるような衝撃までありました。
正直、尋常じゃありません。

私のプロジェクトのメンバーがそんな音を立てるとは思えません。
しかし、他の客が原因かもしれません。
私は「とんでもなくうるさい客が居たもんだ。」と腹を立てていました。
明日もこんなことがあったらオーナーに言って止めさせよう、そのとき私はそう考えていたのです。


少々寝不足のまま職場へ。
私は客先への挨拶を済ませ、朝礼の時間になりました。
現場班長を中心に当日の実施事項確認やKYが進められていきます。
最後に私の方から連絡事項を伝え、メンバーを見渡すと、1名足りません。

私「あれ? Sはどうした。まさか遅刻ちゃうやろな。」
班長「Kさん(私)聞いてません? Sさん昨日帰りましたよ。」

班長から話を聞いてみると、以下のようなことが分かりました。

昨日私が宿泊する前、204号室にはSが宿泊していたそうです。
Sは「あの部屋出る。ほんまになんか居る。」と言い、「気分が悪いので帰る。」と言い残して、自宅に帰ったそうなのです。
Sが真っ青な顔をしていたので、少なくとも体調が悪いのは間違いなさそうだということで、班長はSを帰したそうです。
そのような経緯でキャンセルされた204号室に、昨夜私が泊まったということがわかったのです。

「マジそれ!」
私はメンバーに昨夜の体験を話しました。
メンバーは「Sさんが言ってたのほんまやったんや。」と言い始めました。
どうやら、Sも私と同じような体験をしたと、他のメンバーに洩らしていたそうなのです。

しかも、私の部屋の両隣斜め下の4部屋に私のプロジェクトのメンバーが宿泊しているのですが、私が聞いたような物音は一切聞いてないというのです。
特に6時半のあの「ドドーン!」すら聞いてないと…。
さすがにそれは有り得ない。

さすがに2名もこんな体験をしたことが分かると、そんなホテルには泊まってられない、ということになりました。
その後数日かけ、メンバー全員他の宿に引越したのでした。
他の宿は条件が劣るのですが、そんな贅沢を言ってられる状況ではありません。

私は、多い年だと年間の3分の1くらい外泊することもあるので、かなりの宿に泊まってきてますが、さすがにこんな経験は初めてです。



後日談

その後Sは2度と出社することはありませんでした。
そのまま出社することなく会社を辞めてしまいました。
今も連絡も付かないままです。

彼はあの部屋でいったいどんな体験をしたのか、今となっては藪の中。
少なくとも、私の体験以上の何かがあったのでしょう。
もしかすると、彼は窓の外の視線をまともに見てしまったのかもしれません。