2011年5月14日土曜日

人災

 「川内村一時帰宅の真実」から続く。

昨日の参院予算委員会の中で、首相による福島第一原発視察(震災翌日に行われた)が格納容器ベント(放出)の遅れに影響を及ぼしたことを、原子力専門委員が報告しました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110513-00000155-jij-pol

当時、既に格納容器内の圧力が上昇を続けていることが分かっており、すぐにでも格納容器ベントを実施しなければならない状況でした。
現場は大混乱だったでしょう。
人類史上初めての災害に遭遇し、多くの緊急措置を同時並行で実施している真っ最中。
そこへ首相が現地を視察を強行したのです

企業で仕事をされている方なら理解されると思いますが、首相の視察が行われるとなれば相当な受入れ準備作業が生じます。
しかも、首相視察中に放射性物質が放出される格納容器ベントなんて実施出来なかったでしょう。

その間、以下のような経緯を辿ります。

首相視察により格納容器ベントできない

格納容器ベントせずに注水すれば、さらに格納容器圧力が上昇するので注水できない。

注水できないので原子炉の水位が下がり続け、燃料棒が露出。

露出した燃料棒は冷却できないので、燃料棒の温度が急上昇。

燃料棒で水-ジルコニウム反応が始まって大量の水素が発生。
http://www.gengikyo.jp/report/pdf/tohokutaiheiyoyo_4_FAQ3-1.pdf

そして悪夢の水素爆発へ

水素爆発により原子炉建屋が吹き飛んだ結果、セシウム等の放射性物質が大量に飛散

大量の放射性物質を含む瓦礫が散らばることによって、現在もあらゆる現場作業を阻害


上述の原子力専門委員の報告のとおり、これこそが人の手によって引き起こされた災害、すなわち人災なのです。

福島第一原発首相視察当日(3月12日)、震災がなければこの日の朝刊一面は全紙「菅首相の(在日韓国人からの)違法献金」です。
http://www.asahi.com/national/update/0311/TKY201103100625.html

既にこれは疑いではなく、事実であることが明らかになっています。
前原前大臣の経緯(3月6日辞意表明)を鑑みれば、首相は首の皮一枚でつながっている状況だったのです。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110306/stt11030618420009-n1.htm

首相は、よほど政治的パフォーマンスを必要としていたのでしょう。
しかし、その代償はあまりに大きい。


人災 その2」へ続く